ラグジュアリーシンデレラ
「そうだね。買うのに、一億は払ったね。」

「やっぱり!」

やばい。手が震えてきた。

私、本当のお金持ちと、今食事をしているんだ。


「何のお仕事してるんですか?」

「仕事は、オフィス雑貨を扱っているよ。それこそ、小さな事務用品から、大きなオフィス家具まで。」

「それって、そんなに儲かるんですか?」

そう言ったら、井出さんに笑われた。

「そうだね。オフィス向けはだから、常に注文は入るし、大量注文も当たり前だからね。家具とかになると、何百万、下手すると何千万というお金が動くね。」

「うわー……」

あの何気なく使っている事務用品で、そんなに儲かるなんて。知らなかった。


「なんか、私とは住む世界が違う。」

「一緒一緒。俺は俺だし。このままだよ。」

井出さんは笑顔を見せてくれたけれど、私は到底そんな事を思えなかった。

やっぱり、こんな風に会うのって、夢の世界なんだね。

そして食事も、メインのお肉を食べ終わって、後はデザートが来るだけだ。

「今日もありがとうございます。楽しかったです。」

「よかった。お代は気にしないで。俺のご馳走だから。」

「いろいろすみません。」

私が頭を下げると、ちょうどよくデザートが来た。
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