ラグジュアリーシンデレラ
「どう?満足した?」

「はい、ありがとうございます。ご馳走様でした。」

デザートを平らげて、私はお腹を摩った。


「ところで、お酒は飲める?」

「お酒ですか。ははっ。カクテルぐらいしか飲めないです。」

「丁度いい。」

すると井出さんは、私に手招きをした。

私が顔を近づけると、井出さんも顔を近づける。


「ファンの集い2に行こう。」

「ええ?」

そう言うと井出さんは立ち上がった。

私も急いで、立ち上がる。

お店を出る時に、井出さんはクレジットカードで支払っていた。

「すごい。」

思わず言葉に出してしまって、ハッとした。

そうだよ。一億もするようなレジデンスに、住んでいる人だもん。

クレジットカードだって、日常的に使うよね。


「また、エレベーターに乗るよ。」

「はい。」
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