ラグジュアリーシンデレラ
びっくりした。女が財布を出すと、男の人の恥になる場所があるなんて。

さすが、高級VIPバー。

はぁー。全く知らない世界だ。


「何を飲む?」

「あっ、カシスオレンジで。」

「カシス系か。あるかな。」

ウソ、こういう場所って、カシス系ないの?

「じゃあ、ソルティドッグを。」

「OK。ソルティドッグと、ギムレットを。」

「かしこまりました。」


そして目の前で、バーテンダーの人が作ってくれる。

その作り方も、優雅だ。


「はい、どうぞ。」

出されたカクテルも、色が鮮やかだ。

一口飲むと、味が濃い。

「美味しい!」

「それはよかった。」

「さすが高級VIPバーですね。居酒屋と違う。」

「居酒屋?」

クククッと井出さんは笑っている。

バカにされたかな。

そうだよね。いくら何でも、居酒屋と比べたら失礼か。
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