ラグジュアリーシンデレラ
落ち着いて、私!

送って頂いたお礼なんだから!


家の鍵を開けて、井出さんをリビングに通した。

「今、お茶を淹れますね。」

「いいよ。それよりも、俺の側に来て。」

ドキッとした。

そうだ。まだ私、告白の返事もしていない。

私は、ドキドキしながら、井出さんの前に座った。


「改めて言うよ。俺と付き合ってくれないかな。」

「あの、お気持ちは嬉しいんですが、」

「断るの?俺を好きなクセに?」

かぁーっと、顔が赤くなった。

「そ、それとこれとは別な事で……」

「同じ事だよ。俺も結野ちゃんが好き。結野ちゃんも俺を好き。なのに、断る理由なんて、どこにあるの?」


泣きそうになった。

私達、両想いなんだって。

「だって、井出さん。社長さんだし。」

「肩書がね。ただそれだけだよ。」
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