ラグジュアリーシンデレラ
「住む世界が違うし。」

「俺、別にファンタジーの世界で、生きている訳じゃないし。」

「ははは。」

思わず笑っちゃったけど、よく考えてみたらそうだ。

「まだある?俺を断る理由。」

私は、じっと井出さんを見た。

「……冗談じゃないですよね。」

「俺、冗談で交際を申し込むような人間じゃないよ。」

「本当の本当に、私でいいんですか?」

「結野ちゃんがいいんだ。」


私は、井出さんに抱き着いた。

「嬉しい。」

「やっと、素直になったね。」

井出さんは私をぎゅっと、抱きしめてくれた。

近くで見ると、井出さんの顔が赤くなっている。

「井出さん、照れているの?」

「あまり、見ないで。恥ずかしいから。」

なんだか、井出さんが可愛くなった。

「井出さんでも、照れるんですね。」

「さっきから、結野ちゃんは俺を何だと思ってるの?」
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