ラグジュアリーシンデレラ
井出さんが立ち上がると、青志の方が少し身長が高いみたい。

「宜しく、青志君。」

「こちらこそ。」

なんだか青志は、表情が固い。

もしかして、井出さんの事、気に入らないのかな。


「じゃあ、俺そろそろ帰るね。」

「あっ、はい。」

井出さんは玄関を出ると、タクシーを呼んだ。

「今日は、俺の彼女になってくれて、ありがとう。」

その瞬間、井出さんにほっぺチューされた。

「いいえ。こちらこそ、告白してくれて嬉しかったです。」

「じゃあ、また。」

家の前に着いた、タクシーに井出さんは乗った。


「そうだ、結野。」

初めての呼び捨てに、ドキッとした。

「結野は俺の事王子様だって言ってくれたけど。」

「うん。」

「俺は、結野の前では、一人の男だから。それだけ忘れないで。」

「は、はいっ!」

カチンコチンに固まっている私に手を振り、井出さんは帰って行った。
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