ラグジュアリーシンデレラ
「大丈夫だよ。姉ちゃんはただ座ってればいいから。」

「何それ。」

恋人が弟と親睦を深めようとしているのに、その弟が恋人を尋問しようとしているなんて。

「余計な事、言わないでよ。」

「言わないって。」

そう言うけどどうだか。

青志は、姉思いなところがあるんだけど、両親が死んでから、特に酷くなったような気がする。


そして、その日はやってきた。

私の仕事が終わった後、青志とはビルの正面玄関で待ち合わせした。

「ここが、姉ちゃんの掃除場所か。」

「ん?う、うん。」

間違ってはいない。間違っては。

「それで?井出さんは、いつ来るの?」

「そろそろ、来ると思う。」

辺りを見回すと、林人さんが正面玄関から出てきた。

「ごめん。遅くなった。」

「ううん。私達も今、会ったばかりだから。」

青志の前で、林人さんと顔合わせるって、恥ずかしいな。


「じゃあ、早速移動しようか。」
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