ラグジュアリーシンデレラ
長いエスカレーターで、上の階に上がる。

「へえ。金持ちが集まるショッピングモールだって聞いたけど、さすがだね。」

青志は、ここに来るのは、初めてのようだ。

「姉ちゃんは、よく来るの?」

「ううん。買える物がないから、最初から見ないの。」

「それは言えてる。」


しばらくして、この前行った寿司レストランが見えて来た。

「えっ?回らない寿司?」

「ぷっ!」

私は青志の驚き方に笑ってしまった。

「何だよ。」

「だって、私と同じ事言ってるんだもん。」


私達姉弟が言い合わっているところを、林人さんは微笑ましく見ている。

「いいね。そういうの。」

「林人さんは、兄弟はいるの?」

「いるよ。けど、二人みたいに仲良くないよ。」

「そうなんだ。」

それ以上聞いてはいけない気がして、その場は適当に誤魔化し、お店の中に入った。

席の場所は、お店の中央に近い場所だけど、そこからでも外の見晴らしはよかった。
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