ラグジュアリーシンデレラ
「これで分かったでしょ。林人さんが、私を騙していないって。」

私は青志の肩を掴んだ。

「青志君。君の大学進学の事は、お姉さんから聞いてるよ。俺もバックアップするからな。」

だけど、青志は小さく頷くだけ。


その時、丁度特上寿司が運ばれて来た。

「さあ、皆食べましょう。」

「そうだね。」

私と林人さんは、顔を見合わせながら”いただきます”を言った。

「ほら、青志。」

「いただきます。」

その途端、青志はお寿司を次から次へと、口の中に放り込んだ。

「うん、美味い。」

その様子を林人さんが、微笑んで見ている。

まるで林人さんは、私達の保護者みたいだ。


今日は改めて、林人さんの話を聞けてよかった。

そっか。林人さん、御曹司だったんだ。

そう見えないのって、林人さんが自分の力で、仕事を頑張ってきたからなんだね。

「ん?どうした?結野。」

「なんでもなーい。」

惚れ直した事は、林人さんには内緒にしよう。
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