ラグジュアリーシンデレラ
「あっ……そう、かな。」

「さあ、行こう。」

林人さんは私の腕を掴むと、エレベーターで50Fまで昇った。

「今日はあいにく、部屋が空いていなくて。この前みたいなゴージャスな部屋じゃないんだけど。」

「二人で会えるんだったら、どこでもいいわ。」

他にもお客さん達が乗っているのに、まるで二人だけの世界みたい。

「ここだね。」

部屋を開けると、さすが50階。

見晴らしがいい。


「そうだ、結野。君に話がある。」

「話?」

「そこに座って。」

私は林人さんに言われるがままに、椅子に座った。

向かいの椅子には、林人さんが座る。

「話って言うのは、仕事の事なんだ。」

「仕事?林人さんの?」

「そうだね。俺の仕事でもあるし、結野の仕事の事でもある。」

「私の?」

急に振られた話で、頭がついていけない。
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