ラグジュアリーシンデレラ
私はその一言に、カチンときた。

どうして、そこまで言われなきゃいけないの?

「まあ、今日はここまでにしましょう。仕事に戻っていいわよ。」

「失礼します。」

立ち上がって、社長室を出たけれど、きっと額にシワが寄っていると思う。


「大丈夫だった?川畑さん。」

「ははは、大丈夫、です。」

作り笑いをして、留美子さんの元に戻った。

こうなったら、仕事では一目置かれるように、頑張ってやる!


この会社に入って、一日目の仕事は、新商品がきちんとネットで検索できるかどうかだった。

「今はネット社会でしょう?いくらカタログが分厚くて見やすくても、ネットで検索して注文できなきゃ、意味ないのよ。」

留美子さんは、分厚いカタログから一個一個、商品を確認していく。

「ウチはまだ、ネット環境を他社に依存しているの。だから発注通りになっているか、確認しているのよ。」

「へえ。それを私達で確認していくんですね。」

「そう。」

「分かりました。」

私は留美子さんに教えて貰いながら、一緒に仕事を始めた。

留美子さんは前のページから確認しているから、私は後ろのページから確認していった。
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