チップじゃなくてキスがほしい

「初めて私に勝てたご褒美よ」

唇が離れた後、フランソワーズはそう言って微笑む。そして自分のカードを見せてくれた。フランソワーズの出来上がったカードはフルハウスだ。ファーカードより弱いカードの並びである。

「えっ……」

キスをされたこと、フランソワーズに勝てたこと、色んなことで虎徹の頭は混乱してしまう。顔を真っ赤にする虎徹に、フランソワーズはクスリと笑って人差し指をそっと虎徹の唇に当てた。

「言っておくけど、好きでもない人に外国人でも唇にキスはしないわ」

その言葉が何を意味するか、もうわかっている。虎徹はフランソワーズの顎を優しく持ち上げ、今度は自分からキスをした。