密かに出産したら、俺様社長がとろ甘パパになりました~ママも子どもも離さない~

 寂しげな煌人を見ていると罪悪感が胸に押し寄せ、俺は小さな頭をそっと撫でながら謝った。

「ごめんな煌人、あの時はパパじゃなく、サンタのふりをして」
「ううん。あの時はちょっとしか会えなかったけど、今日はいっぱい遊べるからうれしい!」

 言葉通り、本当にうれしそうな満面の笑みを浮かべる煌人に、胸が詰まった。

 俺も、うれしいよ煌人。そしてごめんな。こんなにかわいいお前の成長を、今まで見てやれなかったこと……。

 俺は胸の内で懺悔すると、気分を切り替えるように煌人に微笑みかける。

「そろそろ中に入ろう。煌人の乗りたいもの、教えてくれ」
「うん!」

 煌人の手を握って立ち上がりふと雛子を見ると、感極まったようにあふれる涙を、ハンカチで押さえていた。

 煌人がすんなり俺を父親だと受け入れ、純粋に楽しそうな様子であることにきっと安心したのだろうな。

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