密かに出産したら、俺様社長がとろ甘パパになりました~ママも子どもも離さない~

 眉を八の字にした泣きそうな顔でそんなふうに言われて、暴走するなと言う方が無理だろう。

 全身の血液がぼこぼこと沸騰したかのように熱くなり、理性をつかさどる脳がどろどろと溶けていく。

「じゃあ……もっと、思い出させてやる」

 俺はそう宣言すると、彼女の下着を取り去って、自身の欲を押し付ける。そのまま彼女の顔の脇に投げ出された両手に自分の手を重ね、指を絡めて握りながらキスをして、それから。

「体の奥まで、全部……俺のだ。雛子……」

 途中までゆっくり腰を進め、その先は一気に貫いた。雛子の体内は、まるで本当に俺を覚えているかのように、絶妙に締まって俺に吸いつき、離れない。

「雛子……雛子……っ」
「玲、士……っ」

 体を揺らしながら切ない視線を絡ませて、唇を合わせた。互いに呼吸を乱して貪るように舌を吸い、絡ませ合う。

 どちらのものかわからない唾液は甘美で淫らな味がして、いつまでも啜っていたくなる中毒性すらあった。

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