密かに出産したら、俺様社長がとろ甘パパになりました~ママも子どもも離さない~
俺はとっさに〝ごめん〟と謝ろうとしたが、それより先に雛子が口を開く。
「……でも、今日は違う」
しみじみとそう言った雛子は、涙を散らすように何度も瞬きをして、花のようにふわりと微笑んだ。
「玲士の気持ち、たくさん伝わった」
「雛子……」
「好きだよ、玲士」
……反則だろう。そんなかわいい告白。
はにかみながら愛を告白してくれた雛子に狂おしいほどの愛しさを覚え、ギュッとその体を抱きしめると、耳元に唇で触れながら囁く。
「……俺も好きだよ。こんなに愛せる相手、雛子以外にいない」
「うん……もう、絶対に離れないで」
「わかってる。二度と離すものか」
気持ちの昂った俺たちは、どちらからともなく唇を合わせ、再び肌を重ねた。
これから毎日同じ家で暮らせるとわかっていても、明日の夜すら待てないくらいに俺たちは飢えていたのだ。
そして、四年分のすれ違いを埋めるように熱く激しく、俺と雛子はひと晩中愛し合うのだった。