密かに出産したら、俺様社長がとろ甘パパになりました~ママも子どもも離さない~
朝からひっきりなしにコーヒーを淹れお客さんと話し、とにかく動き回っていた私は、午後三時ごろにようやく休憩をもらって、バックヤードの休憩室でひと息つく。
体は疲れているけれど、精神的にはとても満たされていて、机に突っ伏しながらも口元は緩んでいた。
やっぱり幸せだな……。コーヒーを淹れる仕事……。
そんな想いに浸っていたら、自然と眠ってしまったらしい。
私がハッと意識を取り戻した時には、すでに一時間が経過していた。
「やばっ」
責任者なんだから、あまり長い間姿が見えないのはよくないでしょう……!
私はロッカーの鏡で顔に変な跡がついていないか確認し、慌てて休憩室を飛び出す。そして店内へ続くドアをガチャっと勢いよく開けた瞬間だった。
「おめでとう、榊社長、雛子さん!」
すぐそばで聖子さんのそんな声がしたかと思ったら、目の前にパッと、フラワーシャワーが舞った。