密かに出産したら、俺様社長がとろ甘パパになりました~ママも子どもも離さない~

『彼女、日本(こっち)にいるんじゃないの?』

 俺の考えていたのと同じことを、テリーが口にした。

 そうかもしれない。いや、そうに違いない。

 雛子の両親は他界していると聞いているが、優しく頼りがいのあるお兄さんがいると自慢されたことがある。彼女が頼れるのは、たぶんそのお兄さんくらいだ。

 雛子に会える可能性が一気に高まったことに、俺は思わず武者震いをした。

『……見つけ出す。絶対に。彼女も子どもも』
『あのさ、くれぐれもストーカーみたいなことはするなよ? きみは彼女を四年も放っておいたんだ。もしかしたらほかの男と結婚してるかもしれない』
『ほかの男だと……?』

 ついテリーを鋭い眼差しで睨むと、彼は肩をすくめて両手を顔の前で振った。

『あー、ゴメンゴメン。そういうネガティブなことは考えない方がいいよね。にしても、レイジって恋愛のこととなると人が変わるんだな。仕事と同じように、クールにこなすのかと思ってた』

 テリーのからかいを受け流しつつ、頭の中はすでに、どうやって雛子を捕まえようかという算段で忙しかった。

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