密かに出産したら、俺様社長がとろ甘パパになりました~ママも子どもも離さない~
さりげなく名残惜しいと言われて頬が熱くなったが、悟られないように平静を装った。
やっぱり一度は恋人同士だったからかな。玲士のふとした表情や言葉に、昔のようにドキドキさせられる。でも、それだけで〝この人が好き〟って思えるほど、今の私の心は柔軟じゃない。
煌人の母親として、この人はちゃんと息子を幸せにしてくれる人だろうかって見極めてからでなければ、やすやすと彼に落ちるわけにはいかない。
私は改めて気を引きしめ、青信号で動き出した車の車窓を眺めるのだった。
まず最初の目的地は、都内で人気の巨大ショッピングモール。
その中に煌人の好きなシュワレンジャーを含む特撮ヒーローの公式ショップがあり、街中にある一般のおもちゃ屋よりもグッズやおもちゃが充実しているのだと、玲士が調べてくれた。
その情報通り、広々としたショップ内には、煌人を連れてきたら興奮して大変なことになりそうなほど、シュワレンジャーの様々なグッズが並んでいた。
「わぁ、このラーメン丼とレンゲのセット、いいなぁ」
「紐付きタオルは? 保育園で使うんじゃないか?」
「上履き袋もだいぶくたびれてきたんだよね……」