密かに出産したら、俺様社長がとろ甘パパになりました~ママも子どもも離さない~
「俺はニヒルなのか?」
「なんていうか、第一印象が悪役っぽいんだよね。腹黒そうに見えるというか」
「じゃ、今の印象は?」
「うーん……いろいろと甘い言葉で誘惑してくるけど、まだ味方だと決まったわけじゃないぞ、って感じ」
本当のあなたは、敵? 味方?
胸の内で問いかけながら、瞳をジッと覗いた。
「そうか……そういえば、まだ誤解を解いていないんだったな。ここを出たら、食事をしながらゆっくり話そう。他に買いたいものは?」
「あ、大丈夫。プレゼントだけで」
「せっかく来たのにいいのか? さっき見てた食器とか、上履き袋も新しくしたいと言っていただろう。欲しいものは全部買ってやる」
玲士は太っ腹なことを言ってくれるが、私は静かに首を横に振る。
「いいの。これひとつで十分。煌人が初めて、本当のパパに買ってもらったおもちゃだもん。……って言っても、本人はサンタさんからのプレゼントって思うだろうけどね」
真面目なことを言ってしまったのが照れくさくて、最後は冗談っぽく笑った。