暗闇の先に…(続)
その瞬間、陸斗は私の腕を掴んでいきなり走り出した
「え?な、何?」
突然の事で足が縺(もつ)れそうになりながらも必死に走る
雨は、さっきより弱まってるけど容赦なく体を濡らしていく
そんな事も構わずに複雑に入り組んだ道をすり抜けて、道じゃないような所を通り古びたビルの裏で足を止めた
「はっ、はぁ…はぁ…」
全力で走って上がった息を整える
「い…一体、どうしたの?輝真は?」
「輝は別ルートから帰る。息が整ったら走るぞ」
どうやら私の為に一時休憩してくれてたみたい
全力疾走して、何で陸斗は息が上がってないわけ?
少し落ち着いた私を見るなり、手を引っ張り複雑な抜け道を走って行く