暗闇の先に…(続)
見慣れた病院に着くと、裏口から中に入り手術室へと向かった
「兄貴!直!」
陸斗の目の先には、黒いスーツをビシッと身に纏い静かに佇む男性と紺色のスーツを着崩し壁に凭れる男性がいる
「湊斗さん、直さん!無事でよかった」
陸斗と輝真は二人の顔を見て安堵の表情を浮かべた
初めて見る陸斗のお兄さん
とても よく似ている
違うと言うなら目元くらい
陸斗の桃花眼とは違い少し切れ長の二重
その目は、とても鋭く そして冷たい
陸斗達の後ろから様子を伺っていると、目が合った
「その娘か?お前の婚約者って言うのは」
「あ、あぁ。彩夢だ」
不意に話しを振られ慌てて頭を下げる
「は、初めましてっ陸斗さんとお付き合いさせてもらってる如月彩夢と申します」
「よろしく。俺は陸斗の兄、湊斗だ」
「へぇ。陸斗にしては可愛い娘、見つけたじゃん。初めまして、河原直です」
挨拶を終えた頃、手術室の扉が開いた