暗闇の先に…(続)
夜通し 陸斗の手を握って願った
神様なんて昔から信じちゃいない
だけど…もし、神様がいるならーーー
お願いです…
どうか陸斗を助けて下さい
どうか陸斗が目覚めますように
次第に外は明るくなっていき、窓越しに小鳥の囀り(さえずり)が聞こえて来た
巡回に来た看護師さんが先生を呼び、陸斗の様態を診てくれた
「うん、ひとまず大丈夫だ。峠は越したよ。あとは意識が戻るかどうか…本人次第だね。家族には、こちらから連絡を入れておくから君は少し休んだ方がいい」
そう言って先生と看護師さんは別の患者さんの所へ行った
張り詰めていた気が抜け、ポロポロと涙が溢れ落ちた
「………っ」
陸斗、よかった…本当によかった
これで安心して行けるよ
いつ目が覚めるか分からないけれど、生きていてくれれば それでいい
また陸斗の前から姿を消す事になるけれど…私の心は、いつも陸斗と共にあるから
一緒にいてあげられなくてゴメンね
先生達が出て行って少し時間が経った頃、直さんが姿を現した
「迎えに来たよ。お別れの挨拶は済んだかな?」
私は頷き、陸斗の姿を目に焼き付けた