暗闇の先に…(続)
「組長、連れて来ました」
男性に連れられて来たのは、私より下であろう可愛い女の子だった
直さんは妹さんを優しく抱きしめて、ドアへ向かう
「良かったなぁ、河原あ。この娘と引き換えに妹を返してもらってよぉ。礼を言うんだな。妹の代わりに犠牲になるんだからなぁ。お前の幸せは犠牲の素に成り立ってる事を忘れんなよ。ハハハ」
そう言って、この人達は笑ったんだ
自分達が まるで正しいかのように
私は負けない 何があろうと負けはしない
直さんは、振り返り私を見つめた
その顔は苦悩に満ちて、今にも泣きそうだった
そして、何か呟いて部屋を出て行った