【完】今日、あなたじゃない彼と結婚を決めました
「鮫島課長、私代わります。」
「ああ、ありがとう。
そういえば望月さん、お昼から新しいパートの女性がやって来るから、よろしくね」
「あッ」
鮫島課長の言葉で思い出す。そんな私の様子を見て、「忘れてたな」と笑いながら軽くおでこを小突く。
さり気ないスキンシップでも嫌な気がしないから、既婚者でも彼が人気な理由が少し理解る。
「あは、すっかり忘れてました。というか、私履歴書のチェックもしてなくって…」
「望月さんしっかりしているようで抜けている所あるから。
でも面接でも良い感じの明るいお嬢さんだったよ。そういえば、望月さんと同い年で地元も近かったようなー…」
「そうなんですか…?」
「うん。大学を卒業した後に結構大手の会社に就職したみたい。
でも直ぐにご結婚をされて、子育ても落ち着いたからパートとして仕事に復帰したみたい。
同い年だし話も合うだろう。任せたよ」
「はい。分かりました。後で履歴書のチェックもしておきます」
納品書をこちらへ渡し、鮫島課長は笑顔でホール内へ歩いて行った。
同い年で、地元も近い。か…。納品書と商品を交互にチェックしながら、色々な事を考える。