【完】今日、あなたじゃない彼と結婚を決めました

駿くんにも言えない事を、どうして私は奏に自然に話せるのだろう。

「君はさぁー昔っから少しためこむ所があるから発散した方がいいよ」

どうしてこの人は、私の事をこんなに理解っているのだろう。

「発散方法が分かんないんだもん」

「カラオケとか?」

互いに顔を見合わせて笑い合う。

「あはは、奏とカラオケに行くとめっちゃ盛り上がったよね?!
覚えてる?奏いっつもノリノリで歌って踊っててさ。」

「それを言うなら笑真もだろー?歌の趣味が同じだから、何を選曲しても結局盛り上がるんだよな?
最終的にはマイクの取り合い。」

「そう!それで最後は必ずしっとり」

「「銀座の恋の物語でデュエット」」

互いにハモって、また笑う。

「ひー、あっはっはっはっ。銀恋とかどんだけ選曲古いんだよって話。
かーちゃんのスナックでの定番の曲でさ。よくスナックにも行ったよな」

「奏のお母さんのお陰で覚えたようなもんだよ。
銀恋。ふたりの大阪。北空港。
あーッ懐かしい!」

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