【完】今日、あなたじゃない彼と結婚を決めました
昨日は雨に打たれたまま家へ帰って来た。
そのままベッドに寝転んで、朝気づいたら体中が怠くなって熱を測って見たら38度を超えていた。
それでも仕事に行こうとふらふらの体を起こしかけた時に、丁度駿くんが帰って来た。
「食欲はある?」
「ん…あんまりないかな…」
「でも何か食べた方がいいよ。お粥食べれそうだったら食べな?」
「本当にごめん。帰って来たばかりなのに」
「全然いいって、そんな気を遣う間柄ではないだろう?」
にこりと微笑んで、ベッドサイド駿くんが腰を下ろす。
大阪から帰って来たばかりで疲れてるに決まってるのに、お粥まで作ってくれて…。
私は一体何をやっているのだろう。そんな優しい駿くんを前に、奏に会いに行って風邪までひいてしまうなんて。
…最低。
寝ている私のおでこと自分のおでこをくっつけて、熱いなぁと苦笑いをした。
「午後から病院に行くんだろう?俺車で送って行くよ」
「いいよ、いいよ。駿くん今日だって仕事でしょう?」
「出張してきたんだ。今日くらい親父に言って休みを貰うさ。
そんな状態でひとりで病院に行かせるの心配だし」
「休みならなおさら家でゆっくりしてて、私ならひとりで平気だから」
その言葉に駿くんはふーっと大きなため息を吐く。