【完】今日、あなたじゃない彼と結婚を決めました
「一人暮らししてたからね、ちょっとは出来るよ。あの頃は笑真は不器用で全然料理もレパートリーもなかったなぁ」
「もう、それを言わないでよッ。駿くんと付き合うようになって必死で勉強したんだから」
「毎日毎日美味しいご飯に力を貰ってます。
笑真様ありがとう」
顔を見合わせて笑う。
駿くんは器用で料理もよく出来る。
彼曰く、父子家庭だったせいもあり小さな頃から自分で料理をする機会も多かったからだそうだ。
付き合い始めの頃はその料理の腕に驚いた。私は余り料理が得意ではなかったから。 彼に作らせてばかりいるのは忍びないと言う事で料理の勉強をしたり、一緒に作ったりしてあの頃よりは料理の腕は上がったと思う。
けれど今になってもいまいち料理は好きにはなれない。
だけど彼が喜んでくれるから朝早く起きて朝ごはんを作り、どんなに仕事に疲れていても夜ご飯を作った。
「うどん食べたら薬ちゃんと飲むんだよー?」
「はーい。」
キッチンで食器を洗い、お風呂まで洗ってくれた。
ご飯を食べて薬を飲んでから熱を測って見たら、すっかり平熱まで下がっていた。
お風呂に入って汗を流し終わったらドライヤーで髪も乾かしてくれた。面倒見の良い駿くんの前に居ると子供に戻ったようになってしまう。