【完】今日、あなたじゃない彼と結婚を決めました
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自分の中の半分。片割れを失うと人は立てなくなると言う。
あの頃の私もそんな感じだった。
奏が私の前から消えて。
死んだように生きて来た。
短大を卒業して、今のショッピングモールに就職して
何年かは奏が帰って来るのを待ち続けていた。どこに居ても何をしていても、どこかで似ている人を探して彼の姿に重ねた。
高校時代の友人達にも連絡を取り合った。奏と繋がる事ならば、何でも知りたかった。そんな日々の中で少しずつ疲弊していく心。
その中で私を支えてくれたのは、駿くんその人だった。
奏と付き合っていた頃に紹介されたお兄さん。3人で遊ぶこともあった。あの頃から駿くんは真面目で真摯で、曲がった事が嫌いな人だった。
奏の彼女である私にもとても親切で、全く似ていないふたりであったが兄弟仲が良いのはあの頃から分かっていた。
ぼろぼろだった私を外に連れ出してくれたのは誰でもない駿くんで、何年も掛けて凍り付いていた心を溶かしてくれた。
3年待った時にもう奏は帰って来ないという事に気づき始めていた。
そんな矢先に駿くんに告白された。