【完】今日、あなたじゃない彼と結婚を決めました
次の日から仕事に復帰をした。
パートさんにちくちく嫌味は言われたが、それも慣れたもんで平謝りをしてその場をやり過ごす。
そして仕事に復帰して数日。あれから奏が私を訪ねて来る様子は無かった。
安心した。もう会わない方がいい。絶対にそれが正しい。
「最近望月さんを訪ねて来るイケメンが来ないわね~」
「あら、あの子今度テナントで出す新しいカフェとグッズのお店の関係の仕事に携わってるのよ。
私この間フードコートで見たもの」
「可愛らしい顔をしてる子よねぇ」
休憩中、お喋りなパートの皆さんの井戸端会議は終わらない。
その話に思わず苦笑してしまう。どうしておばさん達ってこんなに噂話が好きなんだろう。情報の速さにも驚くばかりだが…。
こずもその輪の中に入って、どうしたらいいか分からないような複雑な表情を浮かべていた。
「佐々木さんもあの人と知り合いなんでしょう?
私、話してるの何度も見たもの。」
「えぇ。安田くんとは高校の同級生なんです。」
「そうなの?彼ってモテた?この間バックヤードで会った時ににこって笑って挨拶をしてきたのよぉッ。
感じの良い子よねぇ~」