【完】今日、あなたじゃない彼と結婚を決めました

「だって高瀬駿くん、笑真ちゃんの事ずっと好きだったでしょう?
奏と笑真ちゃんが付き合っていた時も。きっと独占欲も強い人だから大変かなぁとも思うけど、高瀬さんだって素敵な人だもんね。それはそれでいいよね」

「え?駿くんが私をずっと好きだった?」

こずの言葉の意味が分からなかった。
私が駿くんから告白されたのも、付き合ったのも奏と別れて数年後だった。

勿論奏と付き合ってた頃から知り合いで、仲良くはしていたけれど男女間の好意は感じた事がなかった。

だからこずの言っている言葉には、違和感が募る。

こずは私の言葉に不思議そうに口を開いた。

「だってあの時結構仲間内で噂になってたじゃない。
よく笑真ちゃんと奏と高瀬さん一緒に居たけれど、高瀬さん笑真ちゃんが好きなんじゃないかって。
面白半分で噂は立ってたけれど、私も実際そうなんじゃないかって思ってた。
それに笑真ちゃんたちが別れたのと同時期に高瀬さん長く付き合ってた彼女さんと別れたよね。
その当時の高瀬さんの彼女さんが、彼には好きな子がいるって結構周りに言いふらしてたらしいけれど」

私は、そんな話を聞くのは初耳だった。

確かに当時駿くんには長く付き合っている女性が居た。 私は話した事はないけれど、大人っぽい綺麗な女性だった。

けれど奏と付き合っている当初、駿くんが私を好きな素振りなんて少しも見せなかったし、ちっとも気が付かなかった。即座にそんな話嘘だと思った。ただの噂だと…

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