【完】今日、あなたじゃない彼と結婚を決めました
高校を卒業して私はそのまま短大へ進んだ。
そして現在。私は短大までの友人たちと余り連絡を取っていない。同窓会にも一度たりとも顔を出さなかった。…敢えて、避けて来た。
それを知っている人間が何人いるだろうか。 特に同じ地元の人間とは、あえて距離を置くように生きて来た。この7年間、ずっと。
「ショッピングモールに就職したなんて知らなかった。」
「私もこずが結婚していたの知らなかったよ。それにもう子供もいるなんてびっくりだし」
「えへへ~、大学を卒業して就職したかと思ったらすぐに出来婚。
だから殆ど社会人経験なし。
それにしても本当に懐かしい、地元の友達と連絡取ってる?」
「んー…あんまり…」
「そうなんだッ。でも久しぶりの社会復帰に笑真ちゃんが居て安心したぁ~。すっごく緊張してたから」
「あはは、あんまり頼りになる社員ではないけれど、よろしくね?
えっと、んじゃー…私先に行っておくね」
背中を向けて更衣室を出て行こうとした瞬間、だった。
「笑真ちゃん、奏は元気?」
かなで。その名前の響きがとても久しぶりに耳に入った。
胸がぎゅっと締め付けられる位懐かしくてどこか切ない。