【完】今日、あなたじゃない彼と結婚を決めました

何で?とか、どうして?と言って私を責める事はなかった。ただただ苦しそうな顔をしたまま、それでも笑顔を作ろうとしている彼を見ては心苦しくなるばかり。

話し合って結論は出なかった。

私は暫くマンションを出る決断をした。駿くんは始め俺が実家に帰ると言ってくれたけれど、身勝手な私の申し出を受け入れてくれた彼にそこまではさせられない。

かといって、実家には帰る気になれなかった。それこそ何を言われるか分かったもんじゃない。

そういった経路があり、私が今身を寄せているのは物事をはっきりと言ってくれる親友の元だった。


―――――

「ちょっと、あんた!テーブルに何でもかんでも置くのは止めて!」

帰って来て早々麻子は怒りを露わにさせて、ソファーで寝っ転がる私を足で軽く蹴った。

テーブルの上にはコンビニで買って来たお弁当と、新作のお菓子。それにペットボトルのお茶がごちゃごちゃと並ぶ。

「痛い。麻子酷いよぉ~…」

「私物がごちゃごちゃしてるの嫌いなの知ってるでしょう?
あ!あんた本棚から雑誌勝手に取ったわね?!読むのはいいけど、きちんと元にあった場所に戻してッ。
あーこんな置き方してるから折り目ついちゃってるじゃない!」

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