【完】今日、あなたじゃない彼と結婚を決めました

「いっぱいあるでしょう？！伝えなきゃいけない事なんて。
安田と再会した事も、そこで自分の本当の気持ちに気づいた事も。高瀬駿と結婚出来ない理由なんて沢山あるでしょうが！
このまま逃げて高瀬駿の前から姿でも消すつもり？
それじゃあ安田が７年前にあんたにした事と同じでしょうーがよ。
自分がされて傷ついた事を人にしようとするなんてあんた最低ね」

やっぱり物事をきっぱりと言ってくれる親友がいて良かった。

傍から見れば私がしようとしている事なんて、あの日奏が私にした事と同じな訳だ。事情が違うにせよ。

「そしてあんたは安田にもう一度会うべきよ」

「奏に？」

「だって気になるんでしょう？目の前に現れたらどうしたって気になるなら、仕方がないじゃない。
７年も時間が流れたのに思い出に出来ないなら、それは程お互いの結びつきが強いって事じゃない。
ねぇそれをあんた的なさっぶい言葉で言うと運命って言うんじゃないの？」

「１回途切れてしまった運命なのに…」

「途切れてしまっても、もう一度結び合わせられる縁もあるんじゃないの？
そんなん本人たち次第だろうけど。
私は、あんたには幸せで居て欲しいと思う。自分らしくいられる人と一生を過ごして欲しいと思う。
その為にはどんなに傷ついても嫌でもきちんと話し合いをしてけじめをつけるべきなんじゃないの？」

「麻子……」