【完】今日、あなたじゃない彼と結婚を決めました

駿くんにきちんと伝える。

家を出てからも、駿くんは毎日連絡を寄こした。

いつ帰ってくる?とか私を急かす内容ではなく、ごくごく自然な普通のメッセージばかり。

彼の気遣いが分かる。

自分勝手な事を言って、勝手に家を出た私を責める事もしようとはせずに、そんな容赦のない優しさが今はとても痛い。

こんな中途半端なままじゃあ駄目だ。きちんと自分の思っている事を伝えないと。どっちにしても今のままで結婚なんて出来ない。 このまま麻子の家に居候をしていたとしても現状を変える事は出来ない。

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ショッピングモールに5月に期間限定でオープンするカフェとグッズ売り場の工事は着々と進んでいた。

日本でもとても人気のあるゲームの、人気キャラクターの壁紙が張られている。
仕事帰り、ボーっとそのテナントを眺めていた。


いや…ここに来たとして奏に会える保証なんてどこにもない訳だけど。

でも連絡先の交換も結局してないし、家だって知らない。どうやったら会えるかなんて分からない。

携帯を開いて、ゲームを運営している会社のHPへ飛ぶ。この会社に連絡をすれば、きっと奏と連絡はつくだろう。

この間あんな事があったばかりだ。私から連絡をしたら奏はどんな顔をするだろう…。

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