【完】今日、あなたじゃない彼と結婚を決めました
「今頭が混乱しちゃってなんて言ったらいいのか分からないんだけど…」
美鈴ちゃんは神妙な面持ちで私の顔色を伺っている。 そんな彼女に対してにこりと微笑む。
そこに元気の良い「おはようございまーす」と声が響いて、明るい笑顔のこずが更衣室に入って来た。
そういえば、きっかけもこずだった。
地元との繋がりをほぼ経っていた私の前に現れた同級生。彼女の言葉で、強く強く奏を思い出した。
そして再び奏と再会した。
「こずちゃん、笑真が何か変になったぁ…」
「えぇ?笑真ちゃんがあ?あはは、どうしたんですかぁ?」
まだ戸惑っている美鈴ちゃんが、着替えを始めようとしたこずの腕を握り締めた。
私はこずに向き合って「結婚はやめる事にした」とはっきりと告げた。 こずの動きが一瞬止まり、大きな叫び声が更衣室に響き渡る。
「えぇーーーー?!マジで?!やっぱり、奏のせい?!」
はっきりと言ってくれるもんだから、思わず苦笑してしまう。その言葉に美鈴ちゃんも続けた。