【完】今日、あなたじゃない彼と結婚を決めました
高瀬コーポレーションは兄弟会社だ。
駿くんの父親を合わせて3兄弟で3つの兄弟会社を営む。
その中で子供の居ない駿くんのお父さんの弟さんが居た。
だから将来的には、奏にその会社を任せる予定だったんだと私は思う。
けれどまさか、その人が奏のお父さんだとは夢にも思わなかった。
「父さん自体もそれを知ったのは奏が大学生になった時だった。
多分…奏も本当の父さんの事は勘付いているんじゃないかな?」
奏が駿くんと父親が違うって聞いた時、変な違和感を感じた。
駿くんはお母さんによく似ていたし、奏はお父さんによく似ていた。だけどその理由がやっと分かった気がする。
お父さんの兄弟の子供ならば、血の繋がりは確かにある。似ていたとしてもおかしくはない。
「本当は母さんはあの人と結婚したかったし、愛してたって知った時はさすがに自分の存在を疑ったけれどね、
結局俺は愛しあった夫婦の子供ではなかったと…。奏だけを母さんが連れて行った理由もよく分かった。」
「それでも…駿くんは…お母さんの子供で間違いないよ…」
まだ前を見たままこくんと頷いた。
「笑真、あの時はごめん」
「え?」