【完】今日、あなたじゃない彼と結婚を決めました

「きっとこの手紙を読んだら、笑真は奏を待っていると思った。
奏はとっくに俺の気持ちに気づいていて、俺に笑真を頼むと言ってきた。
だからこそ俺は…奏の気持ちを…本当の気持ちだけ、笑真には届けなかった。

ごめん、笑真。それがこんなにも君を傷つけた」

駿くんを責める事なんか出来ない。
過ごした3年はやっぱり本当で、私は辛い夜を何度もこの人に励まされて生きてきたのだから。

「駿くんの…せい…じゃない…」

「付き合い始めた時は本当に嬉しかった。 奏の事を忘れるくらい俺が笑真を幸せに出来たらいいなぁーって思ってた。
でもさ笑真は俺と居ても奏と居た時のようには笑ってくれなかった。
いっつも俺に合わせるように気を遣って、俺の機嫌を伺う様にしてくれて…。
でもそうさせてしまったのは俺自身だって気が付いたら、すごく情けなくなった。
本当に笑顔にさせれなくって、ごめん……」


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