【完】今日、あなたじゃない彼と結婚を決めました

「実は数日前に決まった事なんだけど、また一旦アメリカの方の会社に戻らなきゃ行けなくなってさ。
兄貴の事故とかがあって言い忘れてた…」

「え?それってどの位?」

「多分1年くらい…」

真剣な顔をして私の肩を掴んだ。そしてはっきりと告げたのだ――。

「今度は待っていてくれ、とは言わない。
だから俺と一緒にアメリカに来てくれないか?」

そして再び私の体を抱きしめるのだ。
その胸の中、ゆっくりと目を閉じる。

この恋はきっと最後の運命。途切れ、離れた糸を何度も手繰り寄せ導かれるように何度だって帰って来てしまう。

一度は切れた縁はきっと何度でも繋ぎ合わせる事が出来る。 それが魂の伴侶であるという事。

この空の下どんなに遠くに離れていたとしても、繋がっていると信じて左手の薬指を空に掲げた。

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