【完】今日、あなたじゃない彼と結婚を決めました
私、望月 笑真は27歳で、とある大型ショッピングモールで雑貨、洋服売り場の担当をしている、どこにでもいる女の子。女の’子’という歳でももうないだろうか?
そして先程まで私を抱いていた彼は、高瀬 駿と言う。彼の父親は高瀬コーポレーションの社長で、その父親には弟が二人いるがその二人も兄弟会社を経営している。昭和から続く大きな会社で鉄工資材、鋼材、機械工具などを取り扱っている。
29歳になる彼は現在父親の会社で営業などの仕事をしており、そしていつか父の会社の後を継ぐのだろう。
そんな駿くんにプロポーズをされたのは付き合って3年目の出来事で、この間のクリスマス旅行の日だった。
そしてこの春、ふたりで新生活を始める為にこのマンションに移り住んだ。
駿くんは地元でもちょっとした有名人だった。と、いうか彼の父親の会社は地元でも有名で、高瀬3兄弟が経営している会社という事で私達よりもちょっぴりお金持ちの家に生まれた駿くんは、幼い頃から裕福で愛情たっぷりに育てられた。
けれどお金持ち特有の嫌味な性格でもなく、誰にでも平等な優しさを持っている人で学校でも人気者。容姿端麗な上に成績優秀、スポーツ万能。まるで絵に描いたような優等生で生徒会長まで努めあげた。