【完】今日、あなたじゃない彼と結婚を決めました
家を出るちょっと前にやっと用意が終わると、駿くんは既に用意を終えていてソファーで小説を読んでいた。
いつものスーツ姿も素敵だと思うけど、私服もシンプルでカジュアルだ。モノトーンを好んで着る彼らしい綺麗めな格好が、背の高い身長にとても似合っている。
私に気づくと、穏やかな微笑みを向ける。
「今日もとっても可愛いね」
「ほんと?駿くんが似合うって言ってくれたワンピースだよ」
「うん。笑真にとっても似合ってる。それにしても髪が伸びたな。」
そう言って私の長い髪を優しく撫でる、その姿もどこか満足そうだ。
「駿くんが髪が長いの好きだから伸ばし始めたんだもんねー」
「笑真は絶対に髪が長い方が似合うと思う」
私の手を取って、ソファーから立ち上がるとまた目を細めて微笑う。
大丈夫。私は同じ笑顔できっと笑えている。
車に乗り込んで、映画館に向かう。
さすがは休日の都内の映画館。公開されたばかりの新作の大ヒット作品の映画の続編は中々に混みあっていた。
飲み物を買って、上映時間まで映画のパンフレットを見たり、思い思いに過ごしていた。
ちらりとアニメの映画のポスターに目を向ける。