【完】今日、あなたじゃない彼と結婚を決めました
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「笑真ーーッ!おはよーう!」
「あ、美鈴ちゃんおはよう」
翌日仕事場であるショッピングモールへ出勤して、ロッカーで着替えをしていると1年先輩である澤田 美鈴が出勤してきた。
この辺りでも大型ショッピングモールであるこの職場は、大学4年生の時に就職に困っていた私が特に希望もなく受けた会社である。
大から小まで全国に何100店舗も展開しているショッピングモール。
スーパーマーケットから、雑貨屋洋服まで。しかしその建物の大半は現在テナントで埋め尽くされている。
美鈴ちゃんは1年先輩の28歳で、スーパーの方のフロアを担当している社員で、私は主に洋服や雑貨等の方のフロアを担当している。
とはいえ、社員よりパートの方が大量にいる職場。
私はレジから品出し、そしてパート社員の指導やシフト作りなど何でも雑用をこなす。
「何か笑真顔色悪くない?」
制服のシャツに袖を通しながら美鈴ちゃんが訊ねてくる。
「え?本当に?昨日あんまり眠れなかったからかなぁ…。朝から化粧のノリも最悪だったし」
その言葉に彼女はニヤニヤとした顔をしながら、黒のパンツに細く伸びた足をするりと入れる。