アイツの溺愛には敵わない
6*アイツを幸せにする答え

もう朝か…。


全然眠れなかったな…。


「ふぁ……」


欠伸をしながら窓のカーテンを開ける。


差し込んでくる太陽の光に目を細めた。


颯己から告白された後。


晩ご飯を食べる気分になれず、パジャマに着替えてベッドに潜り込んだけれど…


激しく波打つ鼓動は勢いを保ったまま。


落ち着くために心を無にしようと思ったけれど、颯己のことが頭から離れなくて無理だった。


時間が経つにつれて、心臓の騒がしさも火照った体の熱もおさまってきたけれど…


まだ、普段よりも鼓動が速い。


緊張とか驚きとは違うドキドキ。


気付きたくなかったな、この想いに。


私が颯己を好きになって、どうするのよ。


アイツの傍に居たら、また私は…。


唇を噛みしめていると、ドアをノックする音が部屋に響いた。


< 119 / 255 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop