アイツの溺愛には敵わない
6*アイツを幸せにする答え
もう朝か…。
全然眠れなかったな…。
「ふぁ……」
欠伸をしながら窓のカーテンを開ける。
差し込んでくる太陽の光に目を細めた。
颯己から告白された後。
晩ご飯を食べる気分になれず、パジャマに着替えてベッドに潜り込んだけれど…
激しく波打つ鼓動は勢いを保ったまま。
落ち着くために心を無にしようと思ったけれど、颯己のことが頭から離れなくて無理だった。
時間が経つにつれて、心臓の騒がしさも火照った体の熱もおさまってきたけれど…
まだ、普段よりも鼓動が速い。
緊張とか驚きとは違うドキドキ。
気付きたくなかったな、この想いに。
私が颯己を好きになって、どうするのよ。
アイツの傍に居たら、また私は…。
唇を噛みしめていると、ドアをノックする音が部屋に響いた。