アイツの溺愛には敵わない

「映結ちゃんと真浦くんって同じ中学だったんだね!」


放課後。


小物ショップで可愛いアクセサリーやグッズを見ていると、綾芽ちゃんがその話題に触れてきた。


「う、うん…。あまり話したことはないけどね」


「真浦くんが自分から女の子に話し掛けるなんてビックリしちゃった。私の席の周りの女の子たち、みんな羨ましがってたよ」


幼なじみであることは隠しとおせたけど、変に注目されちゃったな…。


「真浦くん、もしかしたら映結ちゃんのこと気に入ってるんじゃない?」


「有り得ないよ、そんなこと」


ニヤリと笑う綾芽ちゃんに苦笑いしながら否定した。


早速、懸念していた事態が発生しているじゃん…。


明日の朝、颯己を起こしに行った時にお願いしておこう。


どうしても話さなきゃいけないことがある場合以外は、私に話し掛けないでって。



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