アイツの溺愛には敵わない

「映結ちゃん、おはよ~!」


自分の席に着こうとしたところで、いつものように可愛らしい笑顔で駆け寄ってきた綾芽ちゃん。


先週の後半から会ってなかったせいかな。


久しぶりに会う感覚だ。


「おはよう、綾芽ちゃん!体調はもう大丈夫なの?」


「たっぷり睡眠をとったから、すっかり元気!土曜日には完全回復してたよ」


「そっか、良かった……」


胸を撫で下ろすと、綾芽ちゃんが私の耳元に顔を近付けた。


「真浦くんとの馴れ初め話、あとで詳しく聞かせてね!」


「う、うん」


囁く声が思いっきり弾んでる。


恋バナするの好きだもんなぁ……。


興味津々ですと言わんばかりにキラキラと輝く綾芽ちゃんの目を見ながら苦笑いを浮かべていた時。


「碓井さん」


颯己の声が聞こえてきて、綾芽ちゃんと一緒に振り向く。


席に座って、頬杖をつきながら私たちを眺めている颯己。


その表情はなんだか不満げに見えた。


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