アイツの溺愛には敵わない
8*アイツと私、ドキドキの週末
「映結ちゃんと昼食を食べるの久しぶりだね」
「うん!」
颯己と付き合い始めて二週間が経った。
騒がしかった周囲や過剰な視線も徐々に落ち着いてきて、平穏な日常が戻りつつある状態だ。
「真浦くん、私に何か言ってた?」
「えっと、特に何も……」
「そっか。まあ、私とお昼ご飯を食べることを許可してくれてるなら大丈夫かな?」
「う、うん」
胸を撫で下ろして微笑む綾芽ちゃんに、戸惑いながら頷いた。
この二週間、お昼はいつも颯己と一緒。
もちろん二人きりの時間は嬉しいけれど、久しぶりに綾芽ちゃんと一緒に食べたいな…と思っていたら、颯己が気持ちを察してくれたようで。
“たまには友達と食べてきなよ”と笑顔で言ってくれたのだ。
颯己の言動に違和感はなかったと思うけど、何か気になることがあるのかな?
お弁当箱を手に持ったまま固まっていると、綾芽ちゃんがクスッと笑った。