アイツの溺愛には敵わない

時は流れて週末、日曜日の午後。


私は少し長くなった髪をカットするために綾芽ちゃんのお母さんが経営するヘアサロンにやって来た。


「映結ちゃん、凄く可愛い!」


「本当?ボブにしたの初めてなんだけど…」


「めちゃくちゃ似合ってるよ!」


「ありがとう」


カットが終わった後。


ちょうどお手伝いに来ていた綾芽ちゃんとお店の外で立ち話。


満面の笑みで絶賛してくれる姿に、気恥ずかしいながらも顔が綻んでしまう自分がいた。


小さい頃から髪の長さは殆どセミロング。


小学校高学年の時に少しだけロングの期間はあったけど、ボブヘアにするのは初めてだ。


前々から短めの髪型に憧れはあったものの、なかなか冒険する勇気が出なかったんだよね。


だけど今回、スタイリストさんが後押ししてくれたのもあって思いきってチャレンジ。


どんな雰囲気になるのかドキドキだったけど、想像していたよりも違和感が少なくて、わりと気に入っている。


バッサリ切ったから軽くなってサッパリしたし、この髪型にして良かった。



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