アイツの溺愛には敵わない
2*不機嫌になるアイツ
翌朝。
学校に到着した私は、すぐに職員室へ。
担任の天川(あまかわ)先生に“話したいことがあります”と言って、相談室に移動。
同居のことについて話すことにした。
生徒には秘密にするけれど、一応…先生には事情を説明しておいた方がいいんじゃないかと思ったからだ。
「……というわけで、昨日から真浦くんが私の家で生活しているんです」
先生、驚いたかな。
経緯を伝えると、先生は驚いたというよりは何かを思い出したかのような表情を浮かべた。
「あぁ、そう言えば9月下旬頃から真浦が居候するって話だったな!」
「えっ、知ってるんですか?」
「夏休み前に真浦から話があったんだ。お前たち、各自でちゃんと説明しに来てくれるなんて律儀だなぁ」
既に説明済だったのか。
しかも、かなり事前に。
先生に話してあるなら、そう言っておいてくれれば良かったのに。