アイツの溺愛には敵わない
「ずっとずっと一緒に居させてね」
涙を拭う右手を掴まれたかと思うと、ゆっくりと唇が重なる。
始めは壊れ物を扱うかのように優しく啄むキス。
でも、次第に深い口づけへと変わっていく。
「んっ……」
「可愛い声、いっぱい聴かせて?」
「待っ、んん……」
熱く絡みあうキスに心の奥まで溶かされそう。
心臓も破裂してしまうんじゃないかと思うほど、強烈にドクンドクンと音をたてる。
体に起こっている反応は穏やかじゃないのに、なんだか心地よくて“もっと”と願ってしまう。
私、颯己を好きだと自覚した頃よりも、更に颯己のことが好きになってる。
きっとこの気持ちは膨らみ続けるんだろうな。
終始、甘い雰囲気だった観覧車。
そんな幸せなひとときも終わり、帰宅の時間。
私たちは名残惜しさを感じながら遊園地を出た。
「遊園地デート、楽しかったね」
「今まで颯己と過ごしたクリスマスイブで一番最高だったよ」
「俺も。一生の思い出になった」
二人で顔を見合わせる。
さっきまでたくさんキスを交わしあっていたからか、颯己も少し照れくさそうだ。