アイツの溺愛には敵わない
和やかなムードの中で黙々と晩ご飯を食べ終えた私。
部屋に戻って課題をやらなくちゃ。
そう思って自分の食器を片付けたようとした時だった。
「そうだ、颯己くん!今度の日曜日なんだけど、急きょ出勤することになってしまって手伝えなくなったんだ。申し訳ない」
「俺は大丈夫なので気にしないで下さい」
ん……?
「私もお手伝い出来れば良かったんだけど、前々から友達と会う予定が入っていて…。本当にごめんなさいね」
「いえ、気遣っていただいてすみません」
ちょっと待って。
一体、何の話をしてるの?
完全に置いてけぼり状態の私。
「ねぇ、日曜日に何かあるの?」
気になって訊ねると3人の視線が私に注がれた。
「確か映結は今度の日曜日は特に予定なかったわよね?」
「うん…」
「実はね、颯己くんがその日に引っ越し作業をするのよ。だから、映結も一緒に手伝ってあげてね!」
お母さんってば、またしても唐突な発言を…。
っていうか、今…引っ越しって言った?
それじゃあ颯己との同居終了ってこと!?