アイツの溺愛には敵わない

最寄り駅から電車に揺られること、およそ30分。


そこから更に歩いて10分ぐらいのところにあるのが、私たちの通う隣町の高校。


生徒数も多くて規模も大きめの学校だけど、同じ中学出身者が意外と少ない。


私のクラスだと、同じ中学だったのは颯己ぐらいだ。


「映結ちゃん、おはよ~!」


「おはよ~」


毎朝、教室にやって来るとニコニコと日だまりのような笑顔で声をかけてくれるのが碓井 綾芽(うすい あやめ)ちゃん。


入学式の日に最初に話しかけてくれたのが彼女で、そこから仲良くなった。


ミディアムボブのサラサラな黒髪。


小顔でパッチリとした二重の目に艶のある唇。


アイドルですかっていうぐらい可愛い。


いつも明るくて、一緒に話をしているだけで癒されるし元気を貰える。


そんな女の子だ。



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